【FP断言】ヒゲ脱毛は医療費控除になる?答えは「NO」です。税務署と戦う前に読む記事

こんにちは。「メンテ中のFP」です。

今回のテーマは、ヒゲ脱毛や介護脱毛(VIO)を検討している、あるいは既に契約してしまった男性諸君が、心のどこかで期待している「あわよくば」の話です。

「これだけ高い治療費(脱毛代)を払ったんやから、医療費控除で少しは税金が戻ってくるんちゃうか?」

ネットで「脱毛 医療費控除」と検索し、都合の良い解釈を探し回っているあなた。
その往生際の悪さ、嫌いではありません。FPとして「1円でもコストを回収したい」という姿勢は正義だからです。

しかし、プロとして無慈悲な結論(ファクト)を最初にお伝えしなければなりません。

あなたのその期待は、99.9%裏切られます。

結論:脱毛代は「0円」です(控除対象外)

いきなり結論ですが、ヒゲ脱毛もVIO脱毛も、医療費控除の対象にはなりません。
確定申告書に記入しても、税務署に認められません。1円も戻ってきません。

「いや、でもクリニック(医療機関)で医師の管理下でレーザーを打ってるぞ!」
「将来の介護負担を減らすための『予防』やぞ!」

そう叫びたい気持ちは痛いほど分かります。私も15万円払った身ですから。
しかし、国税庁のルール(所得税法)にはこうあります。

医療費控除の対象となる医療費とは、医師等による診療等の対価で、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額をいいます。
(中略)
容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費控除の対象とはなりません。

(出典:国税庁No.1122 医療費控除の対象となる医療費)

ここにある「容姿の美化」という言葉が、我々の前に立ちはだかる巨大な壁です。

「介護脱毛」という言葉の罠

最近流行りの「介護脱毛(将来、介護士さんが下の世話をしやすくするために毛をなくす)」という言葉。
これはいかにも「社会的な意義」がありそうですが、税務上はあくまで「予防」であり、現在の病気を治す「治療」ではありません。

残念ながら、今の日本の税制では「おっさんのケツを清潔に保つための先行投資」に、税制優遇を与えるほど国は優しくないのです。

「例外」はあるのか?(悪あがき編)

「0.1%の可能性はないのか?」と食い下がる方のために、例外中の例外をお話しします。

1. 医師が「治療」として認めた場合

例えば、重度の「毛嚢炎(もうのうえん)」や「アトピー性皮膚炎」などで、医師が「ヒゲが原因で肌が爛れている。治療のために脱毛が必要だ」と判断した場合。

この場合、医師の診断書があれば医療費控除として認められる可能性があります。
ただ、一般的な「カミソリ負けが痛い」レベルではまず通りません。「美容目的でしょう?」と一蹴されます。

2. 個人事業主が「経費」にする場合

「医療費控除が無理なら、事業の『経費』で落とせばいいじゃない」
フリーランスや経営者ならこう考えるでしょう。

結論から言うと、あなたが「顔出し看板のモデル」「俳優」でない限り、否認リスクが高すぎます。

私のようなFPやライターが「清潔感アップのために経費にしました」と言っても、税務調査官は冷ややかな目でこう言うでしょう。
「ヒゲがあっても記事は書けますよね? はい、否認です。追徴課税払ってね」

税務署員相手に「いや、これは営業活動に不可欠な投資で…」と喧嘩を売る時間があるなら、その時間で仕事をして稼いだ方がマシです。

FP的思考:税金で取り返すな。「時間」で元を取れ

ここまで読んで絶望したあなた。
落ち込む必要はありません。税金が戻ってこなくても、脱毛の投資対効果(ROI)はプラスだからです。

私が以前の記事で計算した通り、ヒゲ脱毛を完了させれば、向こう20年で「約1,200時間(50日分)」の自由時間が手に入ります。

  • 毎朝のヒゲ剃りの10分
  • カミソリを買いに行く手間
  • 夕方の青ヒゲを気にするストレス

これらが消滅するのです。
医療費控除で数千円〜数万円の還付金をもらうよりも、「人生の持ち時間」が50日増えることの方が、はるかに経済的価値が高いと思いませんか?

まとめ:さっさと諦めて、さっさと焼け

脱毛代を「医療費控除」で落とそうとするのは、時間の無駄です。
そのリサーチをしている間に、あなたのヒゲはまた伸びて、白髪になるリスク(=脱毛不可になるリスク)が上がっています。

税務署は見逃してくれませんが、「脱毛後の快適な朝」は、あなたを裏切りません。
小銭(節税)を追うのをやめて、本質(快適な未来)にお金を使いましょう。

まだ黒い毛が残っているなら、今すぐ動くのが「一番安く済む方法」です。


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