ドケチFPがシェーバー洗浄液を解約しようとして、逆に医療脱毛を契約しそうになった話

固定費削減の鬼が目をつけた「電気シェーバーの維持費」
FPという職業柄、私は毎月の「固定費」に対して異常なほどシビアです。
サブスクリプション、保険料、通信費。これらは呼吸をしているだけで財布からお金を抜き取っていく存在ですから、常にリストラ対象を探しています。
そんな私が今回、目をつけたのが電気シェーバーの「自動洗浄液」です。
メーカー純正のアルコール洗浄液などは、数個入りで数千円します。冷静に考えると、ただの洗剤ごときに年間数千円も払い続けるのは、資産形成の観点から見てナンセンスではないか。そう思ったわけです。
そこで私は、洗浄液を解約し、ハンドソープと水洗いで代用してコストをゼロにする「完全節約計画」を立てました。
しかし、結論から言います。
私は洗浄液を解約するどころか、もっと高額な契約書にサインすることになりました。医療脱毛です。
今回は、私がなぜ「洗浄液の節約」を諦め、逆に「脱毛」という投資に踏み切ったのか。そのロジカルな失敗と決断のプロセスをお話しします。
洗浄液は「メーカーの陰謀」ではなかった
まず、私は徹底的に調べました。「シェーバーの洗浄液なんて、実はただの水とエタノールだろう。ハンドソープで十分なはずだ」という仮説を立証するためです。
しかし、調べれば調べるほど、私の仮説は化学的なエビデンスによって粉砕されました。
第一に、人間の皮脂汚れは頑固です。
顔のアブラは40度くらいのお湯や水では溶けません。これを放置すると刃に酸化した皮脂がこびりつき、雑菌の温床になります。あの独特の「納豆のような臭い」の原因はこれです。
第二に、これが決定打でしたが「潤滑油(オイル)」の問題です。
ハンドソープや食器用洗剤は、汚れを落とす力が強すぎて、刃に必要な油分まで脱脂してしまいます。油分がなくなった金属刃が高速で擦れ合うとどうなるか。摩擦熱が発生し、刃の切れ味が瞬殺で劣化します。さらに、熱を持った刃は肌への攻撃性を増します。
純正の洗浄液には、洗浄成分と同時に「潤滑剤」が含まれています。つまり、あれは洗っているだけでなく、毎回メンテナンスオイルを塗布しているのです。
洗浄液代をケチるということは、1個5000円以上する高価な替刃の寿命を縮め、自分の肌を傷つけることと同義でした。
ランニングコストを削った結果、資産(シェーバー本体)の寿命を縮め、健康(肌)を害する。これはFPとして最もやってはいけない「安物買いの銭失い」です。私はここで、洗浄液が「浪費」ではなく「必要経費」であることを認めざるを得ませんでした。
維持費がかかるなら「資産」ごと処分すればいい
洗浄液が必要経費であることは理解しました。しかし、どうしても納得がいきません。
洗浄液代、年間約6,000円。
替刃代、2年で約5,000円。
シェーバー本体の償却費。
そして何より、毎朝シェーバーを肌に当てる10分間の時間コスト。
たかがヒゲを維持するために、私たちはこれだけのお金と時間を垂れ流しています。冷静に計算すると、ヒゲは配当を生まないどころか、維持費ばかりかかる「超・不良債権」です。
不動産投資で言えば、誰も住まないボロアパートに毎月修繕費を払い続けているようなものです。
FPの鉄則として、保有コストがかかり続ける負動産はどうすべきか。
答えはシンプルです。「売却」あるいは「処分」するしかありません。
ここで私の思考は、「いかに安く洗うか」という戦術論から、「いかにヒゲという負債をなくすか」という戦略論へシフトしました。
結論:医療脱毛という「損切り」と「最強の保険」
私はその日のうちに、洗浄液の定期便を申し込む代わりに、医療脱毛の予約を入れました。
もちろん、医療脱毛は数万円から十数万円のイニシャルコストがかかります。洗浄液代とは桁が違います。しかし、ここで考えるべきはトータルコストと「時間の価値」です。
脱毛が完了すれば、洗浄液代はゼロになります。
替刃を買う必要も、シェーバーを充電する必要もありません。
そして、毎朝の10分間、年間で約60時間という貴重な時間が手に入ります。
この60時間を時給換算してみてください。数年で脱毛費用なんて簡単にペイできてしまいます。
さらに言えば、私が決断した理由は「金銭的な損得」だけではありませんでした。実は40代・50代の男性にとって、ヒゲ脱毛は「美容」などではなく、将来の入院や介護リスクに備える「最強の保険」になり得るのです。
もしあなたが、毎朝シェーバーの洗浄液ランプが点滅するたびに「また買うのか」とイラッとしているなら、それは洗浄液を買うタイミングではなく、ヒゲという資産を損切りするタイミングなのかもしれません。
私が実際に身銭を切って体験した「痛み」や「リアルな費用対効果」、そしてなぜそれが「老後の保険」になるのか。その全記録を以下の記事にまとめました。洗浄液代をケチろうとした結末が気になる方は、ぜひ読んでみてください。

